BLOG

変革推進のためにHRBPが持つべきコミュニケーション力

2020.09.08

こちらのブログはHRBPの設置や、各種人事施策の強化を通じて戦略人事を実現されたいという方のために「戦略人事の考え方」や「HRBPは作ってみたが何をすればいいのか?」といったお悩み、疑問・質問にお答えしていくものです。

コミュニケーション再考:『対話』で何か変わるのか?何か解決するのか? 2020年8月末に多くの企業様より200名近くのご参加を頂き、「チェンジマネジメント」についてお話をさせて頂く機会を得ました。実際に企業内で変革を推進しておられる実務家のリアルな実践事例をご披露頂き、活発なパネルディスカッションも行われました。

当日のパネルディスカッションでは「変革の過程におけるコミュニケーションの重要性」について触れられ、アンケートでも「コミュニケーションの重要性を再認識できた」というお声を頂きました。
しかし、この『コミュニケーション』という用語は非常に定義が広く、時として曖昧なものでもあります。そこで、今回のブログでは少し焦点を絞って『変革という文脈』の中で『HRBPが発揮すべき』コミュニケーションについて考察してみたいと思います。

一般的に「コミュニケーションが重要だ」という場合、イメージされるのは経営者と従業員の対話の場、タウンホールミーティングや、選抜型研修における経営者と次世代リーダーの車座、等ではないでしょうか?
もちろんこれらの対話の場は非常に大事であり、従業員のエンゲージメントを高めるためにも一定の効果はあるでしょう。しかし、対話を行えば物事が解決する、何かがよくなる、さらには業績向上につながるというのは少し楽観的過ぎるというのが、私たちの考え方です。一時期、人材開発業界界隈では『対話ブーム』とも言えるものが巻き起こりました。背景として、経営幹部や管理職世代とミレニアル以降の世代の「縦方向のダイバーシティ」がますます増加していることもあると思います。対話の「手法」を良く見てみると、組織開発の手法である『フューチャーサーチ』や『コンフロンテーション・マネジメント』等を取り入れている事例も散見されましたが、それらの事例は少数である言わざるを得ない状況で、大半はエンゲージメント調査(もしくは社員満足度調査)の結果、「経営と現場の対話が足りない」という結果が出てきたので、「とにかく経営と現場が対話をおこなう場を設けた」というものではなかったでしょうか?
従業員から対話不足について不満の声が聞こえるので、とりあえず対話の場を設けた、ということでは対話という手段が目的化してしまっている面もあるのではないでしょうか?

アフター・コロナ、ウィズ・コロナの前から「変化に適応し、自社を変革できない企業は負け続ける」という状況になっており、人と組織のプロフェッショナルである人事スタッフ、そしてこれから変革を推進するアラインメントリーダーは自信が持つべき対話の質を問い直し、発揮すべきコミュニケーションスキルを再考しなくてはなりません。

変革型リーダーのコミュニケーション 先述の通り、これからの時代は「変わり続ける事」がニュー・ノーマルです。そこでまずは変化・変革のフローとコミュニケーションのポイントを見てみましょう。

この図は『チェンジカーブ』や『チェンジ・マネジメント・カーブ』等と呼ばれ、もともとは精神科医であるKubler-Rossが不治の病を受け入れていく患者の心理状況の変化を元に考案されたものですが、広くビジネスにおいても応用可能とされています。
カーブの起点はShock=何か変革が起きる事・変わらなくてはならない状況について知らされることでショックを受けるところから始まります。そしてDenial(事実の否定)、Frustration(葛藤)と続いて、Depression(絶望)というどん底に到達します。その後、Experiment(実験)、Decision(新たな方法を受け入れる意思決定)を経て、Integration(新しい自分)になるわけですが、大事なポイントは、このカーブに沿った変化が自然に起きるわけではないということです。 ビジネスの文脈に置きなおすと、実現すべき変革を明確に定義し、戦略的意図をもって実行に移り、確実に変革を実現することが求められますが、特に図に示しているように「1.変革にかかる時間をいかにして短縮できるか?」、「2.変革によるショックをいかにして浅くできるか?」を意識しながら、変革プロセスを駆け抜ける必要があります。この過程の中でHRBPは重要なポイントでリーダーのコミュニケーションをサポートする必要があり、『対話のための対話』をしているだけでは不十分なのです。

例えば、カーブの起点であるShockを和らげるためには皆さんの会社ではどのようなコミュニケーションがとられているでしょうか?
最近では自社のパーパス(Purpose:存在目的)を再定義されることもありますが、そのパーパスが定義された背景(Why)、実現のための具体的な戦略(What)、実行可能性(How)を揃えて経営トップや部門リーダーにメッセージを発信してもらっているでしょうか?

また会社の組織文化・風土を考慮に入れ、大きな変革を一気に進めるか、先に特定部署・組織でExperimentのステップを小規模に行い、うまくいった点・改善すべき点を学習するというLean Start-Upの手法を実践してから組織全体へ変革のコミュニケーションを行うという戦略的意図は実践されていますでしょうか?
利害関係者分析、インパクトマップ等の基本ツールを使い、あらかじめコミュニケーションの過程で起きるリスクを想定し、対応策をもって変革を推進してもらう事業部リーダーと対話ができているでしょうか?
絶望のどん底に落ちることを防ぎ、いち早く「ありたい姿」へ近づくために必要なコンピテンシーとスキルセットを定義し、トレーニングメニューを提供できているでしょうか?
このチェンジカーブのポイントごとにできること、やるべきことを考え、誰とどのようにコミュニケーションをとるべきなのかを検討しなおすだけで、変革リーダー、HRBPとして発揮すべきコミュニケーションスキルは格段にアップグレードします。
是非、皆さんの部署内、そしてビジネスリーダー達との会話のツールとしてお使いいただければと思います。


>>詳しいガイド資料はこちら

>>戦略人事のWebinarはこちら

この記事をシェアする