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リーダーとして目覚める・リーダーとして目覚めさせる:自己認識(Self-Awareness)を高める4つのポイント

2021.05.25

「自分自身はリーダーとしてどのような視点・マインドを持つべきだろうか?」と自分自身のリーダーシップにつて問いかけたり、あるいは部下に対して「彼/彼女の成長は目覚ましいものがあるのでチームリーダーのポジションで一皮むけてほしいんだが、リーダーとしての自覚がどのくらいあるんだろうか、どうすれば、もっとリーダーとしての責任を自覚してくれるだろうか?」と言った悩みを持ったことは無いでしょうか?

優れたリーダーは、ビジネスと組織を成功に導くために、他者と活発で効果的なコミュニケーションを取り、他者に影響を与えることができる外交的な人と見なされることがよくあります。

コミュニケーションと影響力は、私たちの調査で特定された「4つのコアリーダーシップスキル」のなかの2つですが、他の2つ(自己認識と短期学習能力)は、よりリーダーの内面に焦点を当てています。

「リーダーとしての自覚」、「リーダーとしての自己認識」は、4つのコアリーダーシップスキルの中で最も開発が難しいものですが、他のすべてのコアリーダーシップスキルを強化するための基盤となるものであり、この自己認識の開発・向上なくしてリーダーシップ開発は不可能です。

リーダーがどれほど効果的にリーダシップを発揮できるかは、リーダーが自分自身をどの程度理解しているか、他の人が自分をどのように見ているかについての認識、自分と他者の間の相互作用をどのようにマネージできるかにかかっています。

自己認識を高めるための4つのポイント CCLの長年にわたる膨大な研究成果により、リーダーとしての自己認識を高めるための4つのポイントが明らかになりました。

① Leadership Wisdom(自らをリーダーたらしめている要素に関する洞察)
② Leadership Identity(いま、自分はどのようなリーダーであるべきかに関する理解)
③ Leadership Reputation(リーダーとして人からどう見えているか認識)
④ Leadership Brand(リーダーとして、どのようにブランディングをするべきかの意識)

リーダーとして成長し、リーダーシップをより効果的に発揮して頂く為に、それぞれの要素を深掘りして見ていきましょう。

① Leadership Wisdom(自らをリーダーたらしめている要素に関する洞察) Wisdom(ウィズダム)という英語はなかなかこなれた日本語に訳しづらいものです。直訳すると「知恵」とでもいえるのですが、ここで言うLeadership Wisdomは「過去を振り返って、今の自分をリーダーたらしめている原体験」と考える方が適切です。

先行き不透明な環境の中でも最高のリーダーシップを継続的に発揮することのできるリーダーは、折れない心、ぶれない軸を持っており、その折れない心・ぶれない軸は過去の現体験に支えられているということはなんとなくお分かりいただけるのではないでしょうか?(インヴィニオの別のコラムとしてGRIT Leadership Showcaseというシリーズを展開していますが、アフリカと日本を繋ぐために外務省から独立され起業された原さんは、まさに幼少期に見た風景が原体験になっています)

Leadership Wisdomを育む秘訣は、しっかりと時間をかけて自分自身の経験を振り返ることです。 自分のこれまで歩んできた道を多角的な視点から振り返り、過去にとった行動やその行動を取った背景、その行動を取るに至ったきっかけを振返り、「今の自分をリーダーのポジションに導いてきた経験はどのようなものであったか?」を明らかにしていきます。

この内省プロセスは一度きりのものではありません。優れたリーダーは成長し、新たなステージに入るたびに内省を繰り返します。

② Leadership Identity(いま、自分はどのようなリーダーであるべきかに関する理解) Leadership Wisdomが過去から現在までの中で、自らをリーダーたらしめているきっかけ・原動力・原体験に焦点を当てているのに対して、リーダーシップのアイデンティティ、または社会的アイデンティティは、「いま、自分自身はリーダーとしてどうあるべきか、どうあるべきと求められているのかに関する理解」を意味します。

よりイメージしやすくするために、皆さんのリーダーシップのアイデンティティは3層構造(3つの同心円状のリング)になっていると考えてみてください。

一番外輪には外部と接している皆さんのアイデンティティがあります。これは皆さんが選択したというよりは与えられたもの、例えば、年齢、国籍、人種、いくつかの身体的特徴などが含まれます。
(日本版追記:例えば、いまでこそ、女性の活躍が推進される動きがありますが、まだまだ男性中心であると言わざるを得ない現実があります。そのような中で女性というアイデンティティをもってリーダーとしてのキャリアを積んでいこうと思えば、男性とは異なる行動を選択することになるかと思います。このようにアイデンティティによってリーダーとして取る行動が変わってくるのです)

2番目のリングは皆さん自らが“選んだアイデンティティです。会社をはじめとする自分自身がリーダーとして活動する場所や職業、獲得したスキル、趣味などは与えられるものではなく、自らが選び取ったものです。
(日本版追記:スキルの陳腐化が高速化している昨今の変化の時代では、自らを取り巻く事業環境を理解し、今後の変化を読み取って必要なスキルを獲得・更新していく必要があります。しかしながら、多くの日本企業では「これまで」の職務に合わせて必要とされるスキル設定が行われ評価の対象となっていることが多く、大きな課題と言えます。)

最も内側のリングは皆さんのコアとなるアイデンティティです。この深層部は皆さんを独自性のある存在にしている資質であり、信念・価値観が含まれます。(Leadership Wisdomとも合わせて振り返っていきます。自分のリーダーとしての原体験を振返り、ある行動を取るに至ったきかっけとなる動機を把握していきます)

自分のリーダーシップのアイデンティティを知ることは、他の人との共通点を見つけるのに役立ち、より強い関係につなげたり、あるいは重要なコミュニケーションミスを減らすことにつながります。

③ Leadership Reputation(リーダーとして人からどう見えているか認識) 皆さんは周囲の人がリーダーとしての皆さんや、皆さんのリーダーシップについてどのように見ているか、言っているかを知っているでしょうか?自分自身では「ソフトで近づきやすいリーダー」のつもりでも、周囲からは「優しいかもしれないが優柔不断なリーダー」とみられているような残念なケースはないでしょうか? Leadership Reputationとは、他の人が皆さんのことをどのようなリーダーと見なしているかについての情報です。

リーダーシップの評判を理解することは、自分そして自分自身のリーダーシップが他の人にどのように認識され、判断されるかを理解するのに役立ちます。自分がどのように認識されているかを知ることで、他者とのコミュニケーションの効果的な取り方、他者への影響力の行使の仕方を改善・強化することができるようになります。

Leadership Reputationを理解するには、自律的に他者にフィードバックを求めるなどして自分自身のリーダーシップについて質問し、ときには他社の目線に立って自分のリーダーシップ行動を振返り、自分のReputationが自分の価値観や希望するリーダーシップブランドと一致しているかどうかを確認します。

④ Leadership Brand(リーダーとして、どのようにブランディングをするべきかの意識) 皆さんが持ち、発揮しているリーダーシップを他の人々はどのように知り、そしてそれをどのように伝えるでしょうか?自分自身が考える“リーダーとしてどのように見られたいか、どのように伝わってほしいかの理解と意識、それがLeadership Brandです。

自分が立てたいリーダーシップブランドを理解し、他者にどう認識されたいかを意識し、理解することで、自らの行動を変えることができます。一人一人のリーダーシップブランドを際立たせるためには、自分の強みを特定し、それを他の人に伝え、他の人が皆さんに期待することに応えるための一貫した体験を提供する必要があります。

ここで重要なのは、最大の強みを表面に引き出し、強化し、磨き、組織の内外で出会う人々にそれらを確実に伝えることです。強力なリーダーシップブランドは、自分で確立したいブランドに対する自己理解ある場合にのみ開発できます。自分自身のLeadership Reputationがどのようなものであるかを知り、ありたいリーダーシップの姿に近づき、実現していくための慎重な計画を立てる必要があります。

いかがでしたでしょうか?

「彼/彼女はリーダーとしての自覚が足りない!」とこぼしてしまうケースもあるかもしれませんが、リーダーとしての自覚=Self-Awarenessも4つの要素(Wisdom・Identity・Reputation・Brand)に分けてみることで、どこから手を着ければよいか、どのような対話を行えば良いかのヒントが得られるのではないでしょうか?

皆さんご自身のリーダーシップ開発のヒントにもして頂ければと思います。

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