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影響力を高めるための4つのキーポイント

2021.06.01

どのような事業環境や組織の状況に置かれても、リーダーとして人を動かして成果を出していくためには影響力を強化しなくてはなりません。「他者に影響を与える」ことは、「コアリーダーシップスキル」の重要な1つとして定義されています。(そのほかのコアリーダーシップスキルは、コミュニケーション:Communication、短期学習能力:Learning Agility、自己認識:Self-Awarenessの3つです。)

「誰もたった一人で物事を成し遂げることはできません。リーダーは他者に影響を与えて動かし、一人ではできない大きなことを現実にするのです。影響力が無ければ、他者は皆さんがリーダーとして描いているビジョンや理想を理解することができず、理想の実現のために行動に移すこともできないのです。」と私たちのプログラムLead4Success®(日本では弊社インヴィニオがパートナーとして提供)の主な貢献者であるジョージ・ハレンベックは述べています。

「他の人に影響を与える“影響力”を向上させなければ仕事や生活の中で本当に重要なことを達成することはできません。」

効果的なリーダーはただ命令するだけではありません。彼らは刺激し、説得し、そして励まします。リーダーは、グループの知識とスキルを活用し、個人を共通の目標に向け、結果を達成するためのコミットメントを引き出します。

影響力を高めるために:4つの重要項目 それではできるリーダーはどのように影響力を発揮しているのでしょうか?膨大なリサーチに基いて、下記の4つのポイントが明らかにされています。

Organizational Intelligence(組織感覚): 効果的なリーダーとは、組織の中での出来事をバランス良く理解しています。組織を動かす、人を動かすということは論理的な側面だけではなく、感情的な側面の理解とマネジメントを伴う事を知っているのです。できるリーダーは物事を成し遂げる方法をバランスよく理解し、チームや重要な取組みを前進させるために、ときには組織の政治を使いこなさなくてはならないという現実を受け入れます。

Team Promotion(チームプロモーション): 謙虚でいることのみが美徳とされるわけではありません。できるリーダーは、組織全体にとって良い結果をもたらす重要な取組を促進しながら自分だけではなく、チームのプレゼンス(存在感・存在価値の)を上げていくことを怠りません。自分自身とチームの活動や結果を組織の中で見える形にし、変革や成長の機運を上げていくのです。

Trust-Building(信頼関係の構築): リーダーが進む道には多かれ少なかれ抵抗勢力がいるものです。リスクを取り、変化への抵抗を乗り越えていくためには、他者との信頼関係の構築が不可欠です。

Leveraging Networks(ネットワーク活用):リーダーは孤立無援ではありません。社内外に人的ネットワークを作って他者とつながり、前進するための知恵や勇気を得ているのです。

これらの影響力の重要ポイントについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

① Organizational Intelligence(組織感覚)を実践する すべての組織には、組織図に示されている公式(フォーマル)な構造と必ずしも組織図には表れていない非公式(インフォーマル)の構造という2つがあります。これは組織感覚、または組織“人”感覚とも言われるもので、成果を出すリーダーは公式・非公式の組織の両方を理解しています。

組織の非公式な側面、特に社内政治に精通していることは、考え方であると同時にスキルセットでもあります。知識豊富なリーダーは、組織内の政治的な側面を避けて通ることができない必要な部分と見なし、昔ながらの『忖度』ではなく、リーダーとして、組織として、出すべき成果に向けて前進するために建設的かつ倫理的に使いこなします。

例えば、組織感覚を持ったリーダーは次のような行動を意図的・戦略的に取っています。

自分の成長実現や組織の成果実現のために必要な人物と結びつき、味方を増やしておくためのネットワーキング活動
利害関係者の巻込み方法の事前の綿密な計画と精査
言語情報だけではなく非言語情報へも細心の注意を払い、他者の反応を注意深く見極めて、共通の利益を見出す
出しゃばりすぎず、重要な関係者に良い印象を残すコミュニケーション活動

② Team Promotion:(チームプロモーション) セルフプロモーション、チームプロモーションというと、どこか「目立ちたがり屋」の印象を受けるかもしれません。どちらもしばしば自慢または利己主義として見られます。

しかし、影響力のあるリーダーは、自分たちが取組んでいること、出している成果について適切に社内に宣伝することを怠りません。このように「自分たちの活動の意図的な見える化」を行い、自分たちの「正しさ」を組織内に売り込むことで、チームやリーダー自身の活動に余計な疑いをかけられたりすることを避けたり、さらにはチーム外からも協力者が出てきて、より変革や成長に向けた取り組みが加速できることを知っているからです。

個人とチームのプロモーション活動にはいろいろな方法がありますが、今回は2つ、御紹介しようと思います。

一つは何か重要な取組を始める時、その最初の段階から多くの人を巻き込むやり方です。個人として、チームとして何に取組もうとしているのかを説明して透明性を高め、その取り組みそのものにできるだけ多くの人が参加するように促していきます。

もう一つは、主要なマイルストーンで「お披露目」をするやり方です。重要な取組の細部にわたって公開していなくても、組織の人々は需要なマイルストーンにおける成果や意思決定を見ることができるようになります。(これは意外と忘れられがちです。リーダー個人やチームとして温めているアイディアを最後までオープンにしなかった結果、最終段階になって思わぬ抵抗にあうということはよくあることではないでしょうか?)

③ Trust-Building(信頼関係の構築) 信頼がなくても、リーダーは自分の職務権限を使うなどして人々に従わせることができるかもしれません。しかしこの方法ではチームや巻き込むべき組織の人々からの自律的なコミットメント、能力、創造性や協調性を引き出すことはできません。

人々が望んでいるのは強権的なリーダーではなく、自分たち弱さや脆さをも理解し、やる気を掻き立て、理解し、支援し、迫り来る混乱の中を導くことができるリーダーを探しているのです。

多様性のある人々を導いていくためにもリーダーが取るべきアクションも多様でなければなりません。そのいくつかは相いれないように見えるかもしれませんが、出来るリーダーは適切なタイミングで適切なアクションを取り、他者との信頼関係を築いているのです。

例えば変革の為の取組を推進する過程では、チームが協力し合うための良い雰囲気を作る必要もありますが、予測不能な困難の中で、イノベーティブなアイディアを出して前進するためには、敢えて人々の認知的・感情的な対立を促して、創造性を高めていくことも必要になります。効果的に影響力を発揮するリーダーは意図的に対立を起こすと同時に、共感を示し、タイムリーにフィードバックを提供するなどの行動を通じて、人々の間の絆を強固にしていくのです。

④ Leveraging Networks(ネットワーク活用) 最後に、影響力を武器として効果的に使っているリーダーは、全てが自分主導で行われるわけではないことも理解しています。

社内外にネットワークを創り維持・発達させているのです。変化のスピードがますます速くなる昨今の事業環境では、オープンイノベーションの発達に見られるように、イノベーションを自社内のみで完結することは難しくなっています。リーダーは社内外のネットワークに目を向けて、組織の目的に寄与する個人や集団へのタイムリーなアクセスを可能にしているのです。

影響力を行使する際に・・・ ここまでにご紹介した影響力を高めるための4つのポイントはそれぞれが非常に重要なものですが、それと同等に重要なものは影響力を行使する目的、場面やタイミングといった文脈です。

成果を挙げるリーダーは、影響力の4つの重要スキルを習得し、発揮することができますが、それを行使する際には倫理観と誠実さをもって、相手の頭脳、心や五感に訴えるタイミングを慎重に選択しているのです。

影響力を行使する目標は、他人を操作することではなく、他人に影響を与え、行動を促し、目的を達成して喜びを分かち合うことにあります。このために倫理観や誠実さは影響力と切っては切れない関係にあるのです。

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