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持続性のあるキャリアをつくる:短期学習能力(Learning Agility)の重要性

2021.06.07

持続性のあるキャリアを作るための短期学習能力変化の続く時代にあって、これまで培ってきた知識や経験がこれからも有効であるという保証はなくなってしまいました。知識・スキルの陳腐化のスピードがますます速くなる中で、私たちはどのようにして、今後のキャリアを創っていけばよいのでしょうか?

私たちの研究によると、長期にわたって成功を収め続けることのできているリーダーは、短期学習能力(Learning Agility)という重要なリーダーシップ特性を持っています。

短期学習能力の重要性を理解し、Agile Learnerであり続けているリーダーは何年も、さらには何十年もの間、仕事で成長し続けます。

皆さんがアジャイル・ラーナーとして既に十分な経験を積んでいれば、これからも他の人よりも優れた成績を収めることができるでしょう。アジャイル・ラーナーは経験から学ぶことをいとわず、その学びを応用して、新しい困難な状況においても成功することができます。新しい情報をすばやく学び、他の人と効果的に協調して成果を出す方法を見つけます。アジャイル・ラーナーは他の人が新たな環境や未知の状況の中で苦労している中でも、機知に富んだ解決策を考え出すことができるのです。

※アジャイル・ラーナー = 経験から学び、その後その学習を他の場所に適用する能力と意欲を持っていることを意味します。

短期学習能力があれば、ある職務や状況で成功したとは言っても、その成功体験が必ずしも別の状況での成功要因にならないことを理解しています。そして、現在、自分が持っているスキルセットに固執することなく、新たな状況や課題の下では、新たなスキルセットを獲得すしなければならない事を理解しているのです。

アジャイル・ラーナーの特徴 持続性のあるキャリアをつくる方法を知っている短期学習能力を持つ人々には次のような共通項があります。


(1) 現状に満足せず、常に挑戦を続けており、イノベーターとして注目され、頼りにされています。探求心が旺盛です。彼らは前進し、探求し、質問し、知識と洞察を負い続けます。

(2) 彼らは挑戦によって元気づけられます。困難によって心が折れてしまうことがありません。どんなに難題に見えても彼らは落ち着いて集中し、障害を乗り越えていきます。

(3) 彼らは非常に柔軟であり、臨機応変にやり方を変えていきます。あるやり方がうまくいかない場合、彼らは別のやり方を試すのです。

(4) 彼らはすぐに行動に移すことを得意としていますが、いつその行動を止めるべきかも同時に知っています。

(5) 彼らは過去の経験を引き出し、以前に学んだ教訓が使えるかどうか、抽象概念思考力を使って現在の状況・課題とを直感的に結び付けます。

(6) 過去からの経験を引き出すとはいっても、彼らは、同時に最先端の知識に触れることを怠らず、新しい経験を求め、さまざまな課題に取り組むことを好みます。

(7) また行動に移すことが得意と入っても、彼らは無謀ではありません。分ひとりの能力には限界があることも十分に理解していますが、たとえ答えを知らなくても課題に立ち向かうことを恐れることはありません。

(8) 彼らは“やりながら学びます”。やすむことなく、自己批判的で、常に努力し、自分自身に挑戦し、学び続けることを厭わずに前進を続けます。


上記の特徴は、どこか現実離れしたようにも見えるかもしれませし、このような特徴を備えた人物が必ず成功するとも限りません。実際、アジャイル・ラーナーは失敗することも多くあります。しかし彼らは失敗から目を背けることなく、失敗経験からも学ぼうとします。だからこそ同じ失敗を繰り返す確率が低くなるのです。

人々が短期学習能力に優れているという場合、それは特定のスキルというよりも生き方とも言えます。

短期学習能力が高く、持続性のあるキャリアを持つ可能性が最も高い人は、多くの場合、会社や特定分野においてスターとして位置づけられています。彼らは同僚よりも優れた業績を上げ、より短期間に昇進します。彼らは新しい情報をより迅速に学習し、多様な状況で多様な人々と効果的に対話するのに十分な汎用性を備えています。多くの点で、アジャイル・ラーナーであることとポテンシャルの高いリーダーであることは同義語です。

皆さんがアジャイル学習者である場合、皆さんの上司や組織の人々は、皆さんがリーダーとして「適切な資格」を持ち、潜在能力の高い人材であると理解するようになります。 (そのため、優れたリーダーは優れた学習者であるとよく言われます。)その結果としてリーダーシップとキャリアアップのために必要とされる挑戦課題や成長機会がいくつか与えられることになるのです。

では、アジャイル・ラーナーになるためには何が必要なのでしょうか?また、短期学習能力のレベルと、持続的なキャリアを持つ可能性をどのように測定すればよいのでしょうか?

アジャイル・ラーナーであるためのマインドセットチェック それでは皆さん自身がアジャイル・ラーナーとしてのマインドセットの持ち主であるかどうかを確認するために簡単なチェックをしてみましょう。

・自分は新しい考え方に心を開いているだろうか?
・これまでと違うやり方を学び、実践するときに難しさ、もどかしさを感じるだろうか?
・新たなスキルを継続的に学びたいと思っているだろうか?

私たちはこれらの質問をベースに研究を進め、リーダーにとって重要な結論を導きだしました。 アジャイル・ラーナーは、より社交的で、創造的で、集中力があり、回復力がある傾向があります。彼らはいまの人間関係を維持すると言ったことにはそれほど興味はなく、現状に挑戦することを恐れません。具体的には、以下の5つの要素を兼ね備えているのです。

1.革新する アジャイル・ラーナー現状に挑戦することを恐れません。
2.演技する アジャイル・ラーナーは、困難に直面しても冷静さを保っているようにふるまうことができます。
3.内省する アジャイル・ラーナーは、じっくりと時間をかけて自分の経験を振り返ります。
4.リスクを取る アジャイル・ラーナーは、意図的に困難な状況に身を置きます。
5.客観視する アジャイル・ラーナーは、新たなことを学ぶことに対して常にオープンであり、逆境に直面したときに過去の経験だけを頼りにすることがないよう、自分自身をコントロールします。

自分自身の短期学習能力チェックリスト それでは次に自分自身の短期学習能力をチェックしてみましょう。

わたしは...
わたしは...
革新
現状に挑戦し、より良いものを目指しているか?
新しいアイデアを積極的に試して、問題に対するベストな解決策を見つけようとしているだろうか?
または
私が手持ちのもの・アイディアでできる限りの目標を達成しようとしているだろうか?
簡単に実行できるソリューションを選択して、次の課題に進んでいないだろうか?
演技
問題をよりよく理解するために、細部にまで十分に検討しているだろうか?
経験したことのない困難な状況やストレスの多い状況に直面しても平静を保てているだろうか?
または
細部にこだわることなく、直感を信じて解決策を出していないだろうか?
ストレスをエネルギー源として物事を早く終わらせようとしていないだろうか?
内省
自分自身の経験を批判的に内省する時間を十分に取れているだろうか?
経験から教訓を引き出すために失敗にさえも向き合えているだろうか?
または
多くのタスクをこなすことを目的に次から次へと手を着けていないだろうか?
振り返るための十分な時間を取らず、失敗から目を背けていないだろうか?
リスクを取る
何をすれば良いのか明確に定義の無い、新しいまたはチャレンジングな役割に挑戦しているだろうか?
困難を乗り越えることを楽しんでいるだろうか?
または
成功確率が高いものにだけ取組んでいないだろうか?
慣れ親しんだものにだけ囲まれていないだろうか?
客観視
成功だけではなく失敗にも目を向けているだろうか?
必要に応じて、他者からのフィードバックを得ているだろうか?
または
成功によりかかって、失敗から目をそらし、言い訳を考えていないだろうか?
他者からのフィードバックを求めずに独りよがりになっている傾向無ないだろうか?


上の問いかけのうち、より左側の方に取組めていれば、短期学習能力の多くの要素をすでに体現しているかもしれません。 右側の問いかけを読んでみて自分自身に思い当たるフシがあれば、改善の余地があります。

アジャイル・ラーナーになるには継続的な練習が必要ですが、短期学習能力を向上させることができれば、持続的なキャリア、そして幸せなキャリアをつくっていくための鍵を手にすることができるのです。
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